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オ-ディション番組の進化②

SKY-HIさんの「メンバーに品行方正や聖人君子を求めません。」という言葉は簡単に言えるものではありません。

昨今、メディアによるバッシング行為や暗黙のルールを強いる体制はその幅をどんどん拡げ、

一般市民までもがネットなどで痛烈に批判する時代になってしまいました。

携帯電話やスマホの普及で、いつでもどこでも映像や画像が露出します。

そんな風潮の中で埋もれていく才能をいくつも見てきた経験から、非難を恐れずに放った理念だと思います。

 

また、だからこそ人としての資質・素養が問われる事を踏まえてのオ-ディションだった筈で、

受ける側も、選ぶ側も相当なエネルギーが必要だった事は容易に想像できます。

 

そして他のオ-ディション番組と大きく異なるのは育成プログラムも兼ねている点です。

大手事務所からデビューしても、多くのグループを抱えている為、新曲がなかなか回ってこないというのはよくある話です。

与えられた曲をマスターするだけでも大変でしょうが、待っている間のモチベーションを保つ事は簡単ではないでしょう。

でもメンバー自ら作詞・作曲・振付に参加することが出来たなら・・・。

 

落選したメンバーにもちゃんとフォローアップがあるのも見所です。

あくまでもボーイズグル-プのオ-ディションである為、ソロ活動やもっと人数を絞ったグループが向いている場合はどんなに才能があっても

落選になったり、輝くものがあっても期日までに技術が追い付かない場合もあります。

そんなメンバーは練習生やトラックメイカ-候補という新たな環境が用意されることも。

勿論全てのメンバーに対して手厚くというのは難しいでしょうが、残る側にも去る側にも大きな意味のある対応だったと思います。

 

活動の場を韓国に移し、デビューする日本人が増えてきたのはなぜでしょうか。

K-POPが一時的な流行などではなく、楽曲もパフォーマンスも世界に通用すると証明された事に加え、

日本でのボーイズグル-プの在り方や立たされた環境に限界を感じたからではないでしょうか。

 

決定したグループ名は『BE:FIRST(ビィファ-スト)』で、常に1番を目指す・1番で在り続けるという意味が込められています。

プレデビュ-曲の名は『ShininngOne(シャイニングワン)』で、メンバーの置かれた状況や彼ら自身を表す歌詞がとても魅力的です。

 

J-POPは新しいフェーズに突入しつつあります。

彼らのパフォーマンスや歌声から伝わってくるエネルギーも、愛に溢れています。

混沌とした時代にしか生まれない稀有なグループの誕生に感謝し、応援していきたいと思います。