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オ-ディション番組の進化①

ここ数年、アイドルを発掘するオ-ディションが頻繫に行われています。

韓国の『I-LAND(アイランド)』からは日本人の加入で話題になった韓国ボーイズグル-プ「ENHYPEN(エンハイフン)」が、

吉本興業と韓国企業の合弁会社『LAPONEエンタテインメント』からは日本人ボーイズグル-プ「JO1(ジェイオ-ワン)」が、

SONYと韓国企業による日韓合同オ-ディション『Nizi Project(虹プロジェクト)』からは日本人ガールズグル-プ「NiziU(ニジュ-)」が、

それぞれ記憶に新しいですね。自国にとどまらず、グローバルに活躍する事を目的として誕生しました。

そして今年4月2日から日本テレビ系列で放送が始まったBMSG主宰『THE FIRST(ザファ-スト)』というオ-ディションを経て、

7人の日本人ボーイズグル-プ「BE:FIRST」が8月13日に誕生しました。

 

流行のオ-ディションの形態として"投票型"があります。

これはファン投票、国民投票とも表現されますが、視聴者が投票する票の多さでメンバーが決定します。

人気順に当選するので、どうしても才能や技術に偏りが出てきます。

それでも個々の成長を追いかける事が出来ますので一概にデメリットとは言えませんが、グループの一体感が薄いように見受けられます。

 

また主催者が独自の見解で選抜する"独断型”では容赦なく切り捨てられ、落選者の「その後」は全くフォーカスされません。

複数のオ-ディションを重ねてやっとデビューを掴んだとしても、どこからか経歴を探られ『○○の落選組』と称されたりします。

 

今回注目する『THE FIRST』というオ-ディションは、自身も「AAA(トリプルエ-)」というグループで活動し、

トラックメイカ-やプロデューサーとして活躍中のSKY-HI(スカイハイ)さんの主宰により開催されました。

設立間もない事務所のコンセプトには、自身が15年間のアーティスト活動で看過できない問題点が盛り込まれています。

*才能が歪んだ形で消費されるのを防ぐ

*アイドルの接客サービス化を防ぐ

*才能と個人の人間性は分けて考える

といった、アーティストを『使い捨て』にしないという強い信念が伝わってきます。

 

求められるカタチに合わせれば需要は増えるかもしれません。

でもそれは多くの破綻や破滅に繋がる危険も孕んでいます。

韓国の芸能人による自殺報道の多さは、ストレスや過密スケジュールに加えて「人として完璧である」事を求められた結果かもしれません。

社長であり、主催者のSKY-HIさんの言葉は芸能界に一石を投じたと思います。

 

「メンバーに品行方正や聖人君子を求めません。」